『演技者。 室温 〜夜の音楽〜』
館が燃えるのは当たり前のことだ──そう言われるようになって何年たったでしょうか。ミステリ・サスペンス・ホラー等のメディアが一般化されるにつれて、その言葉はますます市民権を増し、僕は『姑獲鳥の夏』の映画に出会います。(参考:http://www006.upp.so-net.ne.jp/rindou/2005.08.html#04)
「館が燃えればいいってものじゃない」
その当たり前のことに当たり前と気付いたとき、僕は館が燃えることに興味がなくなってしまいました。憎いのは『姑獲鳥の夏』映画版だけのはずなのに、嫌いなのは貴方だけのはずなのに。
しかし、僕は今日再び、館が燃えることに喜びを──
「過去の炎上事件」「炎上による人死に」「ストーリィの必然」「もういいや全部消えてしまえーの気持ち」「そして全部消える」
こういったファクターが噛み合わさったとき、ガジェットはただのガジェット以上の力を持つのです。密室殺人もクローズドサークルもみんな同じだ。形だけの形になんて意味なんてない。さよなら。
評価:A