グレッグ・イーガン『万物理論』

現在鋭利読書中、なのだがびっくりしたので記録しておく。
作中、『自閉症の権利を守る団体』的なものが登場するのだが彼らの言っていることがとても非モテ的、中学生的で吹いた。
なんでも、自閉症というのは多かれ少なかれ脳の欠陥によって引き起こされるものであってとても辛い。その欠陥により僕たちは「他人に愛されている」という実感がどうしても持てない。愛して欲しいのに決して愛されていると思うことは無い。だったら脳の欠陥をもっとすごくして愛なんて欲しいと思わなくしたい、もしくは「もう絶対に愛されると感じることすらないように脳を改造したい」。


これは
「僕は精神的(あるいは肉体的)不具なので絶対に女の子に好かれるはずなんてない」「いや、男にだって好かれるはずがない」「だからもう殺してくれ」であり、もう少しポジティブにするならば「じゃあ二次元で萌え暮らすからほっといてくれ」。


これの敵対論理が『電車男』であり、「がんばればこんな俺でも好いてくれる人がいる」であり、しゃらくさい。僕たちを「失敗した電車男」という観点で語るな。僕たちの希望は、僕たちの絶望は、そんなところにない。そんなところにない。そんなところにあるとしたら、それこそが絶望だ。だからそんな絶望を見せないでくれ。


と、そんなことを考えながら『電車男』最終回を見ました。血圧が上がるぜ……!