K・ローレンツ『ソロモンの指輪』読了(例によって小説ではない)

ローレンツ先生は奇人だ。しかも楽しく筋の通った奇人だ。
ローレンツ先生は動物と一緒に暮らしている。その上動物を檻に入れない主義。鳥類だろうがなんだろうがおかまいなしよ! カラスもカモもガンもハムスターも犬も何十匹と飼う。そういう人が近くに住んでたら、迷惑ですよね。迷惑だ。でもローレンツ先生はためらわない。「研究のためだ」
ローレンツ先生は動物と話すことが出来る。比喩表現でなく、動物が発声してる意味を理解できるし、自らも発声することが出来る。町をカラス一緒に散歩していたら違う群れにカラスが紛れ込んでどこかへ行ってしまった。カラス自身も少ししたらローレンツ先生と逸れてしまったことに気付き親を探す声を上げる。可哀想だから呼び戻してあげよう。街中だけど、カラス語で。
「ケェェェェエエエ!」


あらゆる行動に筋が通っている(貴方だって自分の子供の子供が迷子になっていたら必死に名前を呼ぶでしょう?)のだがどう観測しても奇人。そりゃあノーベル賞も取るわけである。

今にも伝記が発行されそうな男、それがコンラート・ローレンツよ!


評価:A+