『カッコーの巣の上で』

舞台が精神病棟という違いはあるものの、『刑務所の中』と似たフォーマット。精神病院も結構楽しいのじゃぜい、というお話。違うところは『刑務所の中』の人物は全員犯罪者だが、『カッコー』は全員精神病患者ではない、というところか。
精神病は鑑定が難しいからわかりやすく「おまえ病人」「おまえ健常」とは言えない(ように作中では描かれている。現実の話はまた今度にしよう)。ならば全員入れてしまえ! であり、全員いるのならばこの世界こそが病棟と言う事が出来る。
主人公は幾度も脱出のチャンスがあったにも関わらず、「何故か」脱出することができない。どれだけ努力しても外へは出れない。簡単に外へ出ることが出来そうなのに、何故か脱出することはかなわないのだ。
この辺の理不尽、世界に似ている。
エンディング後、「彼」がどこへ行ったのかはみんなへの宿題としておく。頑張って哲学してくれ。それじゃ。


評価:B