佐藤友哉クリスマス・テロル』読了。
読み終わった後の暴れだしたくなるようなこの気持ち。なにかに似てるな、と思ったら『コズミック(清涼院流水)』を読んだときと同じ感情だった。
佐藤友哉のマシな(あるいは、より業の深い)点は、『コズミック』と違って「ラスト直前までとても面白い」ということだ。
前向性健忘症の少女は言う。
「もしも私が貴方のことを忘れていたら、その指輪を私に見せて。そうすれば、きっと私は思い出す」(原文大幅改変)
これで熱くならなければ嘘であり、嘘であり嘘であり嘘だ。とてもとても面白い。それで上がりきったボルテージが、え、嘘、いや、さっきも嘘って言ったけど、えええ!? そんなラスト直前になって作者の愚痴だとか悩み事だとか、そんなことを作中人物の口を借りて連呼されましても!
そして、驚愕の結末。
今、目の前に佐藤友哉がいたらきっと殴ってしまう。何かに怒りたいのに理由が無い、そんなときに是非。そんな本でした。


評価:C+(2004/3/18 追記)