ゆうきまさみ『パトレイバー』

野明は射撃が下手だから実戦では撃たない。太田さんは射撃が上手いが、人命を気にして(なんせ彼等は日本の警察官だ。犯人だからってめったなことじゃ射殺しちゃいかんよ)間接部とか末端部ばかりを狙うので当たらない。あんたらどんだけプロプロしければ気が済むんだ。ジャンプの爪の垢でも煎じて飲め。関係ないが爪の垢を煎じて飲むってどんなストーカーだ。そんな奴いるかな、笑いながらやるストーカーも一人ぐらいはいそうだな。なごむな。


つまりこの話の何が凄いかというと(ストーカーの話は忘れろ。パトレイバーの話だ)、「正義の味方には制約がたくさんある」ということを真っ向から描いているのが凄いのである。戦うとして、周りの物は出来るだけ壊さないほうがいいし、相手だって勿論殺さないほうがいい。できるだけ勝利を目指したほうがいいが、それでも条件次第では負けたほうがいいこともある。簡単にいうとジャンプ系少年漫画はその辺がなってない。人を殺すのは駄目なのよ〜とか謳うだけ謳っておいて、すぐに全力を出したりする。全力で攻撃されたら死にますわわたし。人間はナイフ一本で死ぬのです。攻撃力と防御力のバランスが取れてないのが人間、なのです。
「絶対悪が多すぎるのが問題ですな」「『倒される』と『殺される』の間に深い溝があるのも問題ですな。『三寸切り込めば人は死ぬのだ』 虎眼流のひと相手なら裸拳でも殺される自信がありますな」「そも、交戦規定ぐらいは定めてから戦争を始めるべきです。そうじゃないからいつも殲滅戦になるんです。虚のひとたちもコミュニケーションはとれるんだから最低限の話し合いをしたほうが……聞いてるのか一護」