六日目

先輩様は会社で一日四時間は寝る。


帰宅の準備をすすめる僕に「納期に間に合わないんじゃないの?」と先輩様の声がかかる。まあおっしゃることにも一理ある、一理ぐらいはそりゃあある、と残業を続けて十五分。となりの席ですやすやと眠る先輩様を目撃する。
僕は席を立って廊下で「ぶっ殺そうかと思った歌」を歌い心の平静を保ち再び仕事に取り掛かる。

坂本ジュリエッタが「オッサン、オメェらはウルトラマンにでも守られてんのか?」と呟いて蹴りをぶちかましてから数年。僕は帰り道でも「ぶっ殺そうかと思った歌」を歌う。