大槻ケンジ『ボクはこんなことを考えている』
小説というかエッセイ集。ここでの区分ではエッセイも小説に含めることにする。簡便万歳。
久しぶりに頭をさして使わないエッセイを読んだ。つまらなくはないけれど、あと1手足りないといった印象を受ける本。105円だしまあいいかな、と思う(ブックオフ)。
昔僕が傾倒していた中島らもとの違いは死臭のあるやなしやかもなあ、とか呆と。いや、中島らもだって大した人間ではないのですが(あるいは二人とも大した人間なのですが)。
感動した部分はここ。


(p.233)……フランス映画の楽しみ方が、最近やっとわかった。フランス映画の持つ独特な「かったるい」雰囲気。適度な退屈に包まれ、そのウスラボンヤリした時間の中で、頭の八十五パーセントを、目の前のスクリーンに映し出された世界に浸し、残りの十五パーセントで「自分ト、コノ映画ノ主人公ノ、ダメ人間トシテノ共通点ハドコニアリヤ?」てな問題を考えたりする楽しみというのを、ごく最近になるまでボクは知らなかったのだ……


なんか最近僕が考えてた(そして「ふふ、こんなことを考えてたまに実行したりなんかしちゃってる俺ってスゴすぎるぜ」とか思ってた)ことがとっくの昔に先人に文章化されてたというのが大変にショッキングであって泣けた。この本出たの1993年だよ馬鹿! ということで今度フランス映画を見てみようと思う。きっと寝る。
評価:B


貫井徳郎『鬼流殺生祭』
京極のパクリ小説。これがオマージュとして大手を振れるなら、僕も生きる元気が出る。そんな話だった。
あなたが蜘蛛だったのですね。
評価:B-


うわー存外に長くなってやんの。
しゃべり場、今日はここまで!」